情報社会で思考停止

西部 邁の「昔、言葉は思想であった」と言う本を読み始めた。まだ半分も読んでいないけど、考えさせられ、学ぶことの多い一冊で、アマゾンに1200円の海外発送料を払った価値があった。

ここ数年、私の脳は思考停止している様な気がすることがある。インターネット、テレビ、印刷物から入ってくる膨大な情報を私の脳はそれなりにプロセスしている。けれどひとつひとつの情報についてよく考えることは殆どない。ニュースとして伝えられる事象や事実も、多くの場合専門家の意見や、それに反対する意見などと一緒に情報提供され、私はその中でしっくり来た意見に、かもそれが自分の意見の様な錯覚を覚えてそれで満足している。思い返してみると、こういう風になった始まりは大学受験の頃かと思う。

私の脳は情報社会についていくために自分で考えることをおざなりにしていて、それを自覚すらしていない。「昔、言葉は思想であった」は、読みながらそんなことを考えさせられる本だ。

何かを考え、新しいことを作り出す為には雑音の入らない時間と空間が必要なのだと思う。誰もがそうだとも言えないけど少なくとも私は雑音の中で考えることが出来ない。たぶん情報に依存している私には難しい課題なのであるけれど、今の私が取り組むのにはいい課題を見つけた様な気がした。