ヴィパッサナー瞑想 其の二

自分でも何故だか良く分からないけど戻って来てしまったヴィパッサナーセンター。

一人で毎日瞑想をするのはなかなか大変なので、仲間がいるのはとても助かる。

私は瞑想中頭の中の雑念を払うことが殆ど出来ない。次から次へと色々なことが頭に浮かんでくる。

七日目の夜だったと思う。ホールでグループでの瞑想中に、子供の頃の苦い思い出のことを考えていた。それは親との関係が決定的にこじれ始めた時期のことで、過去15年間、何度も何度も頭に浮かんでは消いく出来事だった。私はこの雑念を拭うべきか迷いながらそこにとどまっていた。しばらくして、この出来事に関して今までない視点から観察している自分に気づいた。一時間の瞑想が終わり、この件に関して今まで考えたこともなかった理解を得たことに驚いた。そしてその理解が私にとって非常に腑に落ちるものであったことに更に驚いた。半ば呆然としながらホールに座ったまま頬を伝う涙に気づく。果たしてこれは私の深層心理との遭遇というやつだったのだろうか。

その後、毎回こんな瞑想が出来るわけではない。けれどもあれから数日後、いつもは永遠の如く長く感じる一時間と言う瞑想時間が一瞬のように過ぎたことが一度だけあった。一年間練習を続けた成果が少しだけ出来てている様な気がした。