プライベートな会話

アメリカ人は誰かに聞かれたくない話をする時

「ちょっと二人だけで話をさせてくれない?」とか、「ちょっと席を外してくれない?」みたいなことを結構言う。または「xxさんと話がしたいから。」と言って堂々と他の人のいる部屋から出て行く。日本だったら他に人がない時にすればいいのに、と思われそうな場面だが、そういう文化なのだ。変な言い方かもしれないけど、プライベートな会話を堂々と持つ文化ということだと思う。

 

先日義母が美容整形手術を受けた。が、何やら義母が住んでいるところより私たちの住んでいる地域の方がいい病院があるそうで、手術を受ける為に家へ泊まりに来た。

義母は「簡単な手術よ。あなたは何もしなくていいのよ。」と言っていたが蓋を開ければ6時間に及ぶ大手術になった上、日本ではたぶん絶対認可されなそうな痛み止めを処方され食事中に寝だす程朦朧とした義母を看病する壮絶な数日間となった。私は当時1歳になっていない娘を連れて義母を病院まで送り迎えし、義母の食事の世話やなんやかんやを思いがけずすることになり本当に大変だった。主人は仕事で家にいない為、彼に「やってよ」と言いたくても言えない。そして、痛み止めで終始朦朧としていた彼女は私(を含めて他の人)がしたことは一切覚えてない。けれど自分の状態から誰かに世話をかけなければいけなかったことは分かっていたようだ。

 

手術から一週間ほどが経ち義母が家に帰る頃、主人が義母の泊まっている部屋に入っていくと彼女がドアを閉めるように指示した。主人曰くそこで義母は手術が思いの外大変で迷惑をかけてしまったことを謝り、感謝の言葉を述べたらしい。

 

ここで私の中の何かが崩れた。私は別に感謝されようと思って世話していたわけではないけれど、何故この会話の為にドアを閉めてなければならなかったのか?家の中には私と当時一歳にもならない娘しかいない。ということは、義母がこの会話を聞かれたくなかった相手は私しかいないということになる。

 

ああ、この人苦手だ。