GMO(遺伝子組み換え)食品とか

一般的にはなんだか悪者扱いされている遺伝子組み換え食品。

 

“遺伝子を組み換えた生物を食品に使用する”ことに対する私の立場は中立なのだけど、

 

“遺伝子組み換え反対の人たちの情報の発し方”には疑問を感じることが多々ある。

 

遺伝子組み換え食品を悪しとする人たちの意見で一番よく聞くのが「知られていないリスクがあるかもしれない」という理由。

 

これ、最もではあるのだけど、実際は使い古されたおざなりの意見に私には聞こえてしまう。そしてそれは論理的と言うよりも感情的だ。熟考された説得力のある反対意見を目にすることは少ない。

 

それは前も書いた(世界は平和になっていく - Catcherinthewave's blog)、未知なる物に対する恐怖から来ている様にさえ思える。

 

なぜ私がこのように感じるかといえば、この「知られていないリスクがあるかもしれない」っていうのは私たちが日ごろ利用する全ての技術に当てはまるからだ。

 

農薬だって医薬品だって化粧品だって認可、販売されては後になってあ、やっぱ使わないほうがよかったみたいって認可が取り消されていく。

 

遺伝子組み換えじゃない食品もびっくりするような悪辣な方法で作られていたりする。成長ホルモンを使って、更に成長を速くするために24時間人口光で照らされたケージで育った鶏の肉なんて体に良くはならないだろうと思う。けれどこういう鶏肉は立派な遺伝子非組み換え食品だ。

 

けれど現在、こういう“知らぬが仏”的な技術なくしては世界の人口を支えるための食料を生産できない。言ってしまえば世の中にこんなにたくさんの人達が生きていられるのはそういう食糧生産技術のおかげなのだ。毒を食べているといっても思っても、人間の平均寿命は延びているし、栄養失調問題も一般的には改善している。

 

私はこの食糧問題の根っこは世界の人口増加と食料のマネジメント、そして資本主義社会にあると思う。200年前の農業や狩猟方法はもっと健康的だったのかもしれないけどそれでは今の社会は成り立たない。

 

日々先進国で浪費(廃棄)される食べ物とカロリーは世界中の飢餓を解決するのに十分だとしても、そううまく事は運ばない。なぜなら食料を生産、販売している人たちは人権擁護団体ではなく資本主義者だから。

 

資本主義の恩恵(食料大量生産)を受けて繁栄した人間が、大きな問題の一部を見てそれを批判する。それ自体を悪いとは思わないけど、じゃあ遺伝子組み換えをやめてどうするんだとなった時に実際に機能する代替案を提示できなければ結果自分たちの首を絞めることになると思う。